若い女性に多い椎間板ヘルニアの原因とは?デスクワークだけじゃない意外な理由

若い女性で最近腰や脚に痛みやしびれを感じていませんか?もしかしたら、それは椎間板ヘルニアのサインかもしれません。実は、椎間板ヘルニアは若い女性にも多く、デスクワークだけでなく、意外な原因が潜んでいるんです。この記事では、若い女性に多い椎間板ヘルニアの原因を詳しく解説し、効果的な予防法や適切な治療法についてもご紹介します。つらい症状を我慢せずに、この記事を読んで正しい知識を身につけ、快適な毎日を取り戻しましょう。

1. 若い女性が椎間板ヘルニアになりやすいってホント?

はい、残念ながらホントです。若い女性は、実は椎間板ヘルニアになりやすいのです。一般的に椎間板ヘルニアは、加齢とともに椎間板の水分が失われて弾力が低下し、亀裂が生じやすくなることで発症しやすくなると考えられています。しかし、若い女性にも特有のリスク要因が存在し、決して他人事ではありません。

厚生労働省の国民生活基礎調査によると、椎間板ヘルニアの有訴者率は男性で4.5%、女性で6.9%と女性の方が高く、20代から増加傾向にあります。つまり、加齢だけが原因ではないということです。

若い女性特有の要因としては、妊娠・出産による骨盤への負担増加、ハイヒールによる姿勢の変化、冷え性による血行不良などが挙げられます。また、近年ではデスクワークの増加に伴い、長時間同じ姿勢での作業や猫背などの悪い姿勢も大きな原因の一つと考えられています。さらに、無理なダイエットによる栄養不足も、椎間板の健康に悪影響を与える可能性があります。

若いから大丈夫、と安易に考えていると、取り返しのつかないことになるかもしれません。少しでも気になる症状がある方は、早めに専門機関を受診しましょう。

年代 椎間板ヘルニア有訴者率(女性)
20代 3.5%
30代 6.0%
40代 8.6%
50代 9.8%

出典:厚生労働省「国民生活基礎調査」(令和元年)

2. 椎間板ヘルニアの症状をチェック!

椎間板ヘルニアは、放置すると日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。早期発見・早期治療のためにも、まずはご自身の体に現れている症状を正しく認識することが大切です。次のような症状に心当たりがあれば、早めに専門医の診察を受けることをおすすめします。

2.1 こんな症状に心当たりはありませんか?

椎間板ヘルニアの症状は、ヘルニアが起こっている部位によって大きく異なります。腰椎にヘルニアが起こる腰椎椎間板ヘルニア、頸椎にヘルニアが起こる頸椎椎間板ヘルニアが代表的です。それぞれの症状を詳しく見ていきましょう。

2.1.1 腰椎椎間板ヘルニアの主な症状

症状 説明
腰痛 腰部に鈍い痛みやしびれを感じることがあります。
坐骨神経痛 お尻から太ももの裏、ふくらはぎ、足先にかけて痛みやしびれが走るのが特徴です。
間欠跛行 しばらく歩くと足に痛みやしびれが出て歩けなくなり、少し休むとまた歩けるようになる症状です。
排尿・排便障害 頻尿、尿失禁、便秘などの症状が現れることがあります。重症の場合には、緊急を要します。

2.1.2 頸椎椎間板ヘルニアの主な症状

症状 説明
首の痛み 首の後ろや肩、肩甲骨周辺に痛みを感じます。
腕の痛みやしびれ 腕、手、指先に痛みやしびれが走るのが特徴です。
握力の低下 物を持つ力が弱くなる、ボタンがかけにくいなどの症状が現れることがあります。
頭痛 後頭部に鈍い痛みを感じることがあります。

これらの症状は、他の病気でも現れることがあります。自己判断せずに、医療機関を受診して適切な診断を受けるようにしましょう。

2.2 病院は何科を受診すればいい?

椎間板ヘルニアの症状が出た場合は、整形外科を受診してください。整形外科では、レントゲン検査やMRI検査などを行い、正確な診断に基づいて適切な治療方針を決定します。また、症状によっては、ペインクリニック脳神経外科を受診することもあります。

3. 若い女性に多い椎間板ヘルニアの原因

椎間板ヘルニアは、若い女性にも起こりうる疾患です。その原因は、加齢による椎間板の変性だけでなく、若い女性特有の生活習慣や身体的特徴も関係しています。以下に、主な原因を詳しく解説します。

3.1 デスクワークなどの姿勢の悪さ

デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けることは、椎間板への負担を増大させます。特に、猫背のような前かがみの姿勢は、腰椎に大きな負担がかかり、椎間板ヘルニアのリスクを高めます。

3.1.1 長時間同じ姿勢での作業

デスクワークやスマートフォンの操作など、長時間同じ姿勢を続けることで、特定の筋肉や椎間板に負担が集中し、ヘルニアの発症リスクを高めます。こまめな休憩や姿勢の変更を意識しましょう。

3.1.2 猫背などの悪い姿勢

猫背は、背骨のS字カーブが崩れ、椎間板への負担が増加する原因となります。正しい姿勢を意識し、背筋を伸ばすように心がけましょう。

3.2 運動不足

運動不足は、腹筋や背筋などの体幹の筋肉を弱らせ、姿勢が悪くなる原因となります。体幹の筋肉は、腰椎を支える役割を担っているため、筋肉が弱まると椎間板への負担が増加し、ヘルニアのリスクが高まります。

適度な運動は、体幹の筋肉を鍛え、椎間板への負担を軽減する効果が期待できます。 ウォーキングや水泳など、腰に負担の少ない運動を習慣的に行うようにしましょう。

3.3 遺伝的な要因

椎間板の形状や強度には、遺伝的な要因も影響しています。家族に椎間板ヘルニアの患者がいる場合、自身も発症するリスクが高くなる可能性があります。 遺伝的な要因はコントロールできませんが、他のリスク因子を減らすことで、発症リスクを低減することができます。

3.4 妊娠・出産

妊娠中は、お腹が大きくなるにつれて腰椎への負担が増加します。また、出産時には強い力が加わるため、椎間板ヘルニアを発症するリスクが高まります。妊娠中は、無理な姿勢を避け、適度な運動や休息を心がけましょう。

3.5 ハイヒール

ハイヒールを履くと、重心が前に傾き、腰椎の湾曲が大きくなります。これにより、椎間板への負担が増加し、ヘルニアのリスクが高まります。普段からハイヒールを履くことが多い場合は、履く頻度を減らしたり、低いヒールの靴を選ぶようにしましょう。

3.6 冷え性

体が冷えると、血行が悪くなり、筋肉が硬くなります。筋肉が硬くなると、椎間板への負担が増加し、ヘルニアのリスクが高まります。体を冷やさないように、温かい服装を心がけ、入浴などで体を温めるようにしましょう。

3.7 喫煙

喫煙は、血管を収縮させ、血行を悪化させるため、椎間板への栄養供給が不足し、変性を促進させる可能性があります。椎間板ヘルニアの予防のためにも、禁煙を心がけましょう。

原因 詳細 対策
デスクワークなどの姿勢の悪さ 長時間同じ姿勢での作業や猫背などにより、椎間板への負担が増加 こまめな休憩、正しい姿勢、ストレッチ
運動不足 体幹の筋肉が弱まり、姿勢が悪くなる 適度な運動(ウォーキング、水泳など)
遺伝的な要因 椎間板の形状や強度に影響 他のリスク因子を減らす
妊娠・出産 お腹の大きくなることや出産時の負担 無理な姿勢を避け、適度な運動と休息
ハイヒール 重心が前に傾き、腰椎の湾曲が大きくなる 履く頻度を減らす、低いヒールの靴を選ぶ
冷え性 血行が悪化し、筋肉が硬くなる 温かい服装、入浴などで体を温める
喫煙 血行が悪化し、椎間板への栄養供給が不足 禁煙

4. 若い女性の椎間板ヘルニアの予防法

椎間板ヘルニアは、一度発症すると日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。若い女性は特に、デスクワークや出産など、椎間板ヘルニアのリスクを高める要因を抱えている場合が多いです。そのため、日頃から予防を意識することが大切です。

4.1 正しい姿勢を意識する

デスクワークやスマートフォンの操作などで長時間同じ姿勢を続けることで、腰への負担が増大し、椎間板ヘルニアのリスクが高まります。こまめな休憩を挟み、正しい姿勢を保つように心がけましょう。

4.1.1 長時間同じ姿勢での作業

同じ姿勢を長時間続けることは避け、30分~1時間に一度は立ち上がって体を動かす、軽いストレッチをするなど、こまめに休憩を取りましょう。タイマーを設定しておくと便利です。

4.1.2 猫背などの悪い姿勢

猫背は腰への負担を増大させます。座る際は、骨盤を立てて背筋を伸ばし、あごを引いた姿勢を意識しましょう。パソコン作業をする際は、モニターの位置を目の高さに合わせ、キーボードとマウスは体に近い位置に置くことで、猫背になりにくくなります。

4.2 適度な運動を心がける

運動不足は、腹筋や背筋などの体幹の筋肉を弱らせ、腰への負担を増大させます。ウォーキングや水泳など、腰に負担の少ない運動を習慣的に行い、体幹を鍛えることが大切です。激しい運動はかえって腰を痛める可能性があるので、自分の体力に合った運動を選びましょう。

4.3 ストレッチで体を柔らかく保つ

体が硬いと、ちょっとした動作で腰を痛めるリスクが高まります。毎日、腰や背中、股関節周りのストレッチを行い、柔軟性を高めることで、椎間板ヘルニアの予防につながります。お風呂上がりなど、体が温まっている時に行うと効果的です。

4.4 バランスの良い食事を摂る

骨や筋肉の健康を維持するためには、バランスの良い食事が不可欠です。カルシウムやタンパク質、ビタミンDなど、骨や筋肉の形成に必要な栄養素を積極的に摂取しましょう。また、肥満も腰への負担を増大させるため、適正体重を維持することも大切です。

栄養素 多く含まれる食品
カルシウム 牛乳、ヨーグルト、チーズ、小魚、大豆製品
タンパク質 肉、魚、卵、大豆製品、乳製品
ビタミンD 鮭、さんま、きのこ類

4.5 禁煙する

喫煙は、血行を悪化させ、椎間板への栄養供給を阻害するため、椎間板の変性を促進する可能性があります。椎間板ヘルニアの予防のためにも、禁煙を強く推奨します

5. 椎間板ヘルニアの治療法

椎間板ヘルニアの治療法は、大きく分けて保存療法と手術療法の2種類があります。症状の程度や経過、患者さんの状態に合わせて適切な治療法が選択されます。

5.1 保存療法

多くの場合、まずは保存療法が試みられます。保存療法は、手術をせずに痛みや痺れなどの症状を和らげることを目的としています。

5.1.1 薬物療法

痛みや炎症を抑えるために、鎮痛剤や消炎鎮痛剤、神経の働きを調整する薬などが処方されます。症状に合わせて適切な薬が選択されますので、医師の指示に従って服用することが重要です。

5.1.2 理学療法

温熱療法、牽引療法、電気刺激療法など、物理的な刺激によって痛みを軽減し、機能回復を促す治療法です。症状や体質に合わせて適切な方法が選択されます。

5.1.3 運動療法

ストレッチや筋力トレーニングなど、患者さんの状態に合わせた運動プログラムを作成し、実施することで、筋力強化や柔軟性の向上、姿勢の改善などを目指します。

5.1.4 コルセット装着

腰椎を固定することで、患部への負担を軽減し、痛みを和らげる効果が期待できます。コルセットの種類や装着時間は医師の指示に従ってください。

5.2 手術療法

保存療法で効果が得られない場合や、症状が重い場合には手術療法が検討されます。手術療法には様々な方法がありますが、患者さんの状態に合わせて最適な方法が選択されます。

手術方法 概要
椎間板摘出術 ヘルニアを起こしている椎間板の一部または全部を切除する方法です。
内視鏡下手術 小さな切開部から内視鏡を挿入し、ヘルニアを起こしている椎間板を切除する方法です。身体への負担が少ない手術法です。
レーザー治療 レーザーを用いて椎間板を蒸散させることで、ヘルニアによる圧迫を軽減する方法です。

手術療法にはリスクも伴いますので、医師とよく相談し、メリットとデメリットを理解した上で決定することが大切です。術後のリハビリテーションも重要であり、医師の指示に従って適切なリハビリテーションを行うことで、再発予防や機能回復を目指します。

6. まとめ

この記事では、若い女性に多い椎間板ヘルニアの原因と予防法、治療法について解説しました。若い女性はデスクワークや運動不足、妊娠・出産、ハイヒールなど、椎間板ヘルニアになりやすい要因を抱えている場合が多いです。また、遺伝的な要因や冷え性、喫煙もリスクを高める可能性があります。椎間板ヘルニアは放置すると症状が悪化することもありますので、早期発見・早期治療が大切です。日頃から正しい姿勢を意識し、適度な運動やストレッチ、バランスの取れた食事を心がけ、禁煙に努めるなど、生活習慣を見直すことで予防につなげましょう。症状が気になる場合は、整形外科を受診し、適切な治療を受けるようにしてください。何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。

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